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一般財団法人みちのく愛隣協会
理事長・病院長 及川 忠人 |
一般財団法人みちのく愛隣協会は平成24年4月1日より法人移行制度により、新たな組織に生まれ変わりました。昭和49年9月の県認可から38年が経過し、今年の9月末には認可後39年を迎えることになります。これまで地元地域自治体、関連施設等の御支援、御指導を頂き、リハビリテーション専門病院としてまた地域医療を支える病院としてリハビリ医療・地域医療を担い今日に至っていることに心から感謝申し上げる次第です。
昨今、リハビリテーション医療の進歩と専門分化ならびに地域医療の在り方が、少子高齢社会の進展にあわせて論議のまとになりつつあります。また地域医療のみならず、リハビリテーション医療も併せて地域保健・地域福祉との関連ならびに介護保険制度の普及にともない、それらの連携強化が叫ばれるようになりました。
我が病院は創業当初から中枢神経系のリハビリテーション医療の充実に努め、北東北のリハビリテーション専門病院としての活動を続けて参りました。特に中枢神経系疾患における回復機能の病態生理学的臨床研究は全国的にも知られ、さらに数年前から、鹿児島大学リハビリテーション科前教授川平先生の提唱する促通反復法をリハビリテーション医療に取り入れて東北地方では唯一の促通反復法をリハビリテーション医療の現場に用いて大きな成果を得ております。またこれらの病態生理学的な研究も進めまいりました。
これからのリハビリテーション医療は先進的な脳科学を背景としたリハビリテーション医療が求められており、それらの社会的要請に応えるために、さらに努力を続けて参りたいと願っています。
平成24年度から厚労省を主体に地域包括システムの導入等が現場の話題になり、地域包括ケア2025の内容が2010年の地域包括ケア研究会報告にも示され、現場における医療・保健・福祉相互の連携への方向付けが求められる時代になりました。
我が病院はこれらの時代背景を真摯に捉えて、リハビリテーション専門病院としてまた地域医療を支える地域にある病院として、さらなるリハビリテーション医療の質的向上ならびに地域病院としての機能を少しでも高めて参りたいと願っております。
昭和53年の開院以来36年目の大きな節目を迎え、数年後には新たな時代に相応しい新・東八幡平病院建築に向けて検討中であり、医療・保健・福祉連携モデルとして位置付けられた歴史的経緯を大切にしながら、地域住民の安心・安全に寄与するリハビリテーション専門病院・地域病院としての方向付けを確固たるものにしたいと願っております。そもそも地域医療の主人公は地域一般住民であります。このことを念頭に置き、地域に根差した、信頼され、開かれた新しい病院を目指して歩んで参りたいと願っております。さらなる御支援、御協力をお願いして、病院長としての挨拶に代える次第です。
(改訂:平成25年4月1日)